菌床ホダ木の特徴・開発力
1.シイタケはどこからでるのでしょうか?
(1)シイタケの発生
下の写真はシイタケの成長の記録です。日数の経過と共に、どんどんキノコが大きくなっていきます。中心のシイタケの周りにもいくつかの芽が育っています。
KA−2050号のキノコの成長
KB−2010号のキノコの成長
(2)菌床被膜が大切
シイタケ菌が培地内に蔓延した後、キノコを発生させるタイミングは重要であり、菌糸体内に充分な養分の蓄積が無い時点で浸水や低温刺激を与えて発茸促進しても、未熟な変形キノコの発生や発茸不能な状態となります。
シイタケ品種にマッチした培養方法と培養日数で、充分に菌糸体に養分の蓄積が進んだら、低温刺激などの発茸刺激を与えてキノコを発生させます。
下の写真は栽培菌床の内部断面で、菌床の外周に菌糸層がつくられ、表面は褐色の菌床被膜となっています。この菌床被膜の直下に丸く硬い原基(シイタケの芽)ができて、芽切りし(被膜表面に顔を出す)、幼キノコから徐々に開傘して(収穫時期)、最大に傘が広がった時に傘裏のヒダ(担子器)にできた胞子を飛ばします。また、キノコの生育には菌床内部の菌糸体に蓄積された養分の転流が行われます。
つまり、シイタケは菌床被膜のごく真下で作られるため、新品種を開発する中で、この被膜の性質を知ることが重要となります。
栽培菌床の内部断面
a:菌床被膜 b:菌糸層 c:原基